ペットに毎日食べさせているドックフードや缶詰・レトルト食品。
体に良くないものが入ってそうだけど、原材料表示を見ても
難しいカタカナ用語がたくさん並んでて、イマイチよく分かりません。
どうゆうルールで、何を表示しているのかが分かれば
ペットフードへの理解も、少しだけすすむのではないでしょうか。
今回は、そんなペットフード安全法を少し勉強してみましょう。
ペットフードの原材料表示とは?
農林水産省と環境省の共管で、ペットフード安全法が制定され
ペットフードの原材料表示は原則として、使用した添加物を含む
すべての原材料を記載することになっています。
また添加物の表示方法として、甘味料・着色料・保存料・増粘安定剤
酸化防止剤・発色剤が使用されている場合は、添加物名と用途の
両方の記載が必要となります。
例) 酸化防止剤 (ミックストコフェロール)
↑ ↑
用途名 添加物名
原材料の何をチェックするべきか?
では、実際のところペットフードの原材料表示から
何をチェックすれば良いのでしょうか?
1.使用している原材料の状態
2.危険添加物の有無
3.製品の酸化リスク
4.賞味期限の長さ
5.塩分・甘味料の使用
ドックフードや缶詰などの原材料表示から
1~5までを確認できれば、大まかな製品の内容把握ができます。
では、更に細かく確認していきましょう。
使用している原材料の状態
初めに使用している原材料の状態を確認していきます。
良質な肉や魚、穀類、食物繊維などのチェックです。
肉や魚の場合、混ぜ物が入っていない場合は
牛肉・トリ肉などで表示されています。
〇〇ミール・○○副産物、肉+単語は純粋なお肉でなく
筋肉を除いた部位などの絞りカスになります。
もちろんどんな状態のものかは、知る由もありません。
次に多く配合されている穀類を見てみましょう。
穀類で○○粉・○○ミールは油や糖分などを絞った後の
絞りカスになります。すでに栄養価はなく、単なる
かさ増しの材料になります。
全粒大豆やトウモロコシ、小麦はグルテン表示のないものなら
大丈夫です。
最後にセルロースなどの食物繊維の表示がないか
確認しましょう。これは食べ物に入れると食品になり
紙や木綿の原料にもなります。
他にビートバルブ・リサイクルの新聞紙・ボール紙・おがくず
ピーナッの殻など、単にフードのかさ増しに使われていることがあります。
危険添加物の有無
ペット安全法では、危険添加物の上限数値が設けられています。
エトキシキン,BHA,BHT、亜硝酸ナトリウム,メラミンなどは
1トンあたりの使用料を決められており、基準値以上を入れて
製造することができません。
逆に言うと、制限しなければいけないほど
ペットの健康に影響があるということです。
- エトキシキン 酸化防止・ビタミン・ミネラルの安定
(発がん性・アレルギー性皮膚炎・目と皮膚に炎症) - BHA (プチルヒドロキシアニソール) 酸化防止剤
(発がん性・環境ホルモン) - BHT(ジブチルヒドロキシトルエン) 酸化防止剤
(変異原性・催奇形性) - プロピレングリコール 保存料・湿潤剤・甘味料
(硬い便・腸の障害・急性毒性はなし) - ソルビン酸 防腐剤・保存料
(亜硝酸と結びつくと発がん性、成長抑制、肝臓・腎臓
精巣の重量減)
これらの危険添加物の他にも、発がん性のあるタール色素、赤色2号などの
着色料なども確認しておきたいところです。
製品酸化のリスク
ドックフードなどに使用されている動物性油脂は、
劣化・酸化しやすいので、保存料や着色料を使用している場合があります。
化学物質+劣化脂は消化しにくいため、吐きだしや下痢、口臭、アレルギーの
原因にもなります。また動物性油脂は体内で固まりやすく血液がドロドロに
なる可能性もあります。
使用されている油が植物性油脂なのか、また何から作られている油なのか
確認したほうが良いでしょう。
酸化は商品を製造した時点から、既に始まっています。
商品のパッケージ包装が、個別包装などの工夫がされているかも
重要なところです。
賞味期限の長さ
缶詰・レトルト・ジャーキーなど製造方法によって
商品の賞味期限は大きく違ってきます。
ペットフードにおいての賞味期限とは、腐敗せずに食べられる
状態のことを表しています。風味や美味しさとは別の次元の話です。
通常酸素がない状態ではカビや菌は発生しませんが、その状態でも
商品の酸化や劣化は進んでいきます。
そして賞味期限が長いということは、合成であれ天然であれ
保存料が入っているという事実です。
冷蔵庫で見つけた2年前のらっきょう漬けを食べたいと
思いますか?
製造日からの賞味期限の短い、新しいペットフードを選びましょう。
塩分・甘味料の使用
ペットフードへの塩分の必要性は、次の2つです。
①水分を多く摂らせて尿で排泄させる(尿路結石対策)
②味を濃くして食いつきを良くする
犬の場合1.5%までの塩分は処理できる範囲だと言われています。
健康な犬の場合は、とくに問題ないのかも知れませんが
老犬や心臓や腎臓に疾患がある場合は、気を付けなくてはいけません。
過剰な塩分→水分→腎臓→心臓への負担という悪循環に
陥ってしまいます。また塩分はカリウムとのバランスが
重要になりますので、カリウムの欠乏にならないようにしましょう。
また甘味料の使用には次の意味があります。
①甘い味が嗜好性を高め、食いつきを良くする
②砂糖の中毒性を利用し継続して食べさせる
③砂糖ダイコンの搾りかすを増量材して使用する
甘いものは麻薬的に作用し、脾臓や副腎にダメージを
与えます。また糖分は肝臓で脂肪に変えて蓄えられます。
犬に塩分や甘味料は、必ずしも必要ではありませんので
常習的に与えないように心がけましょう。
まとめ
ペットフードの原材料表示を理解するには、まず原材料表を
丁寧に読むことから始めていきましょう。
理科や化学の時間に出てきそうなカタカナ用語ばかりですが
慣れていけば大丈夫です。
中に何が入っているのかさえ、把握することができれば
どんなふうに作られているのかも想像しやすくなるでしょう。
有名なペットフードメーカーが、実はこんな材料を
使っていたんだ!など、新しい発見が自分でできます。
それを踏まえて、愛犬のライフステージや行動パターン、
犬種などに応じた最適なペットフードを、
正しく選んでいきましょう。
シーズーランキング
コメント